2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

笙野頼子『だいにっほん、ろんちくおげれつ記』

前作の『だいにっほん、おんたこめいわく史』で首つり自殺した埴輪木綿助の死霊は、妹を探し求めていた。その妹であるいぶきは、職員として面接を受けに行った火星人遊郭でなんらかの形で殺されており、兄と同じく死者として蘇っている。まことにおんたこの…

笙野頼子『だいにっほん、おんたこめいわく史』

「だいにっほん」三部作と称される作品の第一作。 「おんたこ」という、明治に始まる近代の精神が、新自由主義を信奉する左翼とオタクの手によって徹底的に押し進められ席巻している近未来の日本が舞台である。 「おんたこ」とは、例えばこのように説明され…